ずれていく食事時間

次の日の朝、目が覚めた。また時刻は8時を少し過ぎていた。

「ごはんです」

8時過ぎになると、身体が朝ごはんを食べる時間だと理解しているようだった。いい感じだ。入院をきっかけに、規則正しい食事時間を守れるようになれそうだった。

そんなわけで、退院から2日目。本日も、病院が定めた規則正しい時間に、食事ができそうだ。

「食後は、ユリーフを飲まなくては」

朝ごはんを食べ終わると、私はコップに水道水を汲んで、ユリーフのお薬を1錠を飲んだ。

退院の日の朝、病院で説明してくれた薬剤師のお兄さんは、ユリーフは水で飲まなくても、そのまま口の中で舐めていれば、自然に溶けて、身体の中に入っていくと、言っていた。しかし、私は、水で流し込んだほうが、早く身体の下のほう、膀胱とかがある前立腺のすぐ側までいってくれるような気がして、お水で流し込んでいた。

ユリーフを飲んだ後、パソコンで自分のブログに、新しい記事を書き込んだりしていた。ブログに記事を書き込んでいると、こんなことも書かなきゃ、こういう風に書いたほうが読んでいる人に伝わりやすいといろいろ考えてしまう。

「え、もうこんな時間か」

記事を書くのに集中していたせいか、一つの記事を書き終わったとき、気づいたら既に時間は12時半をとっくに過ぎて、1時過ぎになっていた。

「いけない。お昼の時間過ぎてしまっている」

私は、急いでノートパソコンを閉じると、お昼の食事を用意して、食事にした。結局、食事の用意をしてから食べ始めたので、お昼ごはんの時間は、1時半過ぎになてしまった。本来のお昼ごはんの時間からは1時間もずれてしまっていた。

「まあ、仕方ないか。病院で入院しているわけではないから、普通に生活していれば、いろいろあるのだ。1時間ぐらいずれてしまうことだってあるだろう」

私は、自分で自分に言い聞かせていた。

唯一の救いだったのは、ユリーフの服用は、朝と晩の食後だけなので、お昼ごはんの後には、薬を飲む必要がないことだった。

そして午後、お昼ごはんを食べ終えると、再びノートパソコンを立ち上げて、パソコンでブログをやったり、夕方までいろいろ作業をして過ごした。

「そろそろ夕食の時間かな」

私は、時間が6時を過ぎるころ、今度は、夜ごはんの時間を忘れずに気づくことができた。今から夕食を作り始めれば、ちょうど6時半ごろには、夜ごはんを食べることができるだろう。

「夕食を作らなきゃ」

心では、そう思うのだけれども、身体は立ち上がって、夕食を作りにキッチンに行こうとはしなかった。決して、夜ごはんを作るのが面倒で立ち上がらないわけではなかった。

今から夕食を作り始めて、夜の6時半から夜ごはんを食べる気にはどうしてもなれなかったのだ。別に、前立腺肥大症という病気のせいで、食欲がわかないとか、そういうわけでは決してなかった。原因は、お昼ごはんの時間が少し遅くなってしまったせいだ。そのせいで、ちっともお腹が空かないのだった。

「あともう少し、せめて1時間ぐらい経ってから、お腹を空かせてから、夜ごはんを食べたいな」

結局、その日の夜ごはんは、6時半の予定を大幅に過ぎた夜の8時ごろになってしまった。

「ごちそうさま」

夜の8時半を過ぎたころに、夜ごはんを食べ終わって、その後に、夜のユリーフの薬、1錠を水で飲んだ。夜ごはんの時間がずれてしまったので、薬の時間まで大きくずれてしまった。

「まあ、仕方ないか」

私は、つぶやいた。こんな日もあるか。しかし、せっかく病院で入院したおかげで、バランスの良い食事を、規則正しい時間に摂ることの大切さを思い知らされたのだ。明日からは、もっと気を引き締めて、決められた時間には、ちゃんと食事をとって、食後のお薬も決まった時間にとれるようにしようと、自分のことを戒めたのであった。

その甲斐があって、次の日の月曜日は、しっかり病院での時間と同じ時間に食事をとることができた。

次の日は月曜日だった。しかし、9月のシルバーウィークの、後半の週末で、三連休の最終日だった。そのおかげもあって、病院と同じ時間に食事をとることができたのであった。

その後の火曜日からは会社だった。うちの会社のお昼休みは、一般の会社のお昼休みと違って、12時~1時から少しずれて、午後の1時~2時がお昼休みだった。もう既に、そこの時間からして、病院と同じお昼の12時半に、お昼ごはんを食べるなんてことは不可能だった。朝だって、出かけるとなれば、8時過ぎまでゆっくりして、8時半に朝ごはんを食べるなんてこと、やっていられない。夜ごはんは、夜ごはんで6時半までには帰宅して、食べるなんてこと毎日はできなかった。

そして、規則正しい時間の食事というのは、退院から日がどんどん過ぎていくに従って、どんどんずれていってしまうのだった。

トイレでおしっこするにつづく


ずれていく食事時間
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